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内藤邦雄の「mid NAITO cafe ~ミッド ナイト カフェ~」

神に選ばれし男(2)

「やせの大食い」という言葉がある。
たしかにテレビの大食い番組を見ていると、痩せ型の人がびっくりするくらい大食いだったりする。

高校時代、野球部員だったボクの身長は182cm、体重は70kgくらいだった。
これは高校3年生の時で、当時の野球部員としては、かなり細い体型で、われながらもっと体重がほしいと思っていた。
でも食べる量はすさまじかった。ボクの家は5人家族だったけど、当時家の食事の半分はボクが消費していただろうくらい食べていた。
たとえば最後の夏の大会に負けた時、兄貴に焼肉に連れて行ってもらったとき、僕は一人でカルビを10皿以上食べた。でも、太らなかった。そう「やせの大食い」だったのだ。

歳月は人を変えるというけど、「やせの大食い」だったボクは、少しづつ、「食べたら太る人」へと変化を遂げていった。
18歳で 70kg だった体重は、大学時には 80kg に突入し、社会人になると「大人の階段のぼる~、ボクはそう 90kg さっ♪」てな感じでいつのまに、「太った大食い」に変貌したのである。

「ナイトーサン、いま体重何キロですか?」と聞かれたのは、高校3年から8年後の26歳の頃。
聞いてきた人は、当時同じ会社で働くスーパービジネスマンの外国人(以下SB)。
「ボクですか~、90kgくらいかな?」というと「ええぇ~!!」と激しくマスオさんビックリ。
「ウソだ!絶対 100kg あるでしょ?」とSB。
「ないです、ないです。90kgちょっとですよ。100kg なんてなったことないですよ?」といっても信じられない表情。
「ところで、SBさんこそ何キロですか? SBさんなら100kg 超えてるでしょ?」と逆に質問。
「言えない。。。」そういって、その場を離れようとするSB。
SBさんは、決して太っている訳ではないけど、お尻や肩幅はボクの倍くらいあって、身長は同じくらいだけど、絶対 100kg 超えている堂々たる立派な体格なのだ。
ふと、ボクは思った。「根本的に体のつくりが違うから、100kg なんて無理だよなあ。」
そして「そうだ!SBさんみたいな人こそ、神に選ばれた人なんだ!」

そのときボクの中に新しい定説が生まれた。
「100m 10秒切る人、身長2m 超えた人、そして、、、体重100kg 超えた人は神に選ばれた人なのだ。」
体重100kg。その言葉が、ボクにとって絶対に超えられない大きな壁として立ちふさがった瞬間だった。

⇒「神に選ばれし男(3)」に続く
by cultemo | 2010-05-21 18:19

翻訳とローカリゼーションの株式会社カルテモの 社長 内藤邦雄 が日々考えたことを語ります

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