2018年 12月 21日
スカウト
込み合う電車の中。
お客様と食事の帰り、ボクはいい感じでほろ酔いぎみ。
ボクの前に35歳くらいのビジネスマン。
170cmくらいの身長にボーズのおにぎり頭で、ネクタイが少しきつそうなぽっちゃり体系。
ふらふらと動き、居眠りしたのかたまにガクッと来て眼を見開く。
「あー、やばいなぁこの人。」と自分を見るようでつらい。
込み合う快速の中、場所を移動するにも動けない。
しかたないので、本を読む。しばらくして、誰かがボクの肩をたたく。
顔を上げるとそこには満面の笑みのおにぎり頭。
ふたたび満面の笑みでボクの肩をたたき彼は言った。
「いっしょにラグビーをやりましょう。ともに戦いましょう!」
「???。。。ラグビー?」とまどうボク。
「そうです。ラグビーやりませんか?」とおにぎり。
「ラグビー?ああ来年ラグビー盛り上がるね。」
「そうです。私は佐倉のチームで。。。モゴモゴ(酔っていて聞き取れない)」
「いやー俺はダメだよ。」
するとおにぎりはボクを見つめてこう言った。
「100ぐらいですか?」
「体重?あぁ、そんなもんだね。」ほんとはもっとあるけど嘘をつく。
「いいなー、おれもその身長と体重が欲しい」といって、彼はまたふらふらうとうとを再開する。ボクは読書を再開する。
駅が近づき、降りようとしたら、おにぎりが薄目を開きボクに言った。
「ともに戦いましょう!」
「あはは、そうだね。」とボク。
ボクはおにぎりが無事に家まで帰れることを祈りながら家路についた。
「ナンバー8のポジションは空いているのか?」
やっぱりこう聞くべきだったなぁ。
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by cultemo
| 2018-12-21 16:47
| つれづれ