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内藤邦雄の「mid NAITO cafe ~ミッド ナイト カフェ~」

ハーフマラソン出走記 (3)

ハーフマラソン出走記「激走編」を前に、更新が遅れましたことお詫び申し上げます。
あまりにも更新が遅れたため「本当は走らなかったのでは?」というお問い合わせまでいただいてしまいました。いえいえ、確かに「走った」のは総計 1km 程ですが、残りの 約 20km は歩いて「完走(完歩)」しました。
それでは「激走編」に入りましょう。

マラソン当日は朝4時起きにもかかわらず、しっかりおかわりまでして腹ごしらえをした、私たちは、朝6時半にはスタート地点である「JR小布施駅」につき、スタートを待つばかりであった。今年初めて参加されるという風景間のご主人とも合流することには、続々と参加者は増え始め、なにやら怪しげな「いでたち」のランナーもやってくる。そう、「コスチューム賞」狙いのランナーである。パンダ、サルにはじまり柔道着、着物に三度笠と様々なコスチュームに身を包むランナーたちがいる。
そんななか私たちグループは約1400名という参加者の中段ほどに位置し、スタートを待つのであった。スタートが近づくと、なにやら前の方で偉い人と思われる方のお話のあと、ついにスタートの時を迎える。「バンッ!」というピストルの音とともに吹奏楽の演奏が始まりスタート。参加者が多く、なかなか前に進まないながらも少しずつばらけはじめ、やっと走れる位になる。実は結構驚いたことに、最初から歩く人はほとんどいなかったのである。「自分のペースで歩く」ことを完走への秘策とおもっていた私は続々と皆に抜かれ、いよいよ恥ずかしくなり少しだけ走って見たりするが、思いなおしてやっぱり歩く。数キロいくと小布施の中心地を過ぎ、田園地帯に入る。この辺ではみんなそれぞれのペースをつかみ走っている。ちなみに私はちょっとはやめのペースで歩いていたため、走る仲間とも、ゆっくり歩く仲間とも離れ、孤独な戦いを続けるのであった。

5km あたりから長い上り坂に入る。歩いてみて気づいたのだが、ちょっと早めのペースで歩くと、1歩の踏み込みが強いからか、上り坂ではゆっくり走る人より速いことがある。途中給水地点やトイレに立ち寄ったりしながら歩いていると、後ろから元気な声が聞こえる。「ヘイッサ、ホイッサ、ヘイッサ、ホイッサ」なんと、かご屋のコスチュームで自作と思われるかごを担いだ若者2人がやってきた。おもわず声をかける「そのかご乗れるの?」「のれますよ。よかったらどうですか?お客さん第1号ですよ。」一瞬心が動いたが、かごに乗ってしまっては「完走」に疑惑がかかってしまう、とおもい、「まだいいよ」と丁重にお断りする。ちなみにかご屋の若者は見事「コスチューム賞」を受賞するのだが、そのかごは発泡スチロールでできたものだった。もしその時、0.1トン に限りなく近い私がシャレで乗ろうものなら間違いなく壊れ、彼らの「コスチューム賞」もなかったかもしれない。本当に乗らなくてよかった。
と、そんなこんなで長いのぼりも終わり、今度はくだりなので、少し走ってみたりしながら、なんだかんだで 10km 地点にさしかかる。その辺になるともうかなり疲れてきて、地元の方の応援が心にしみる。また桃をむいてくれたり、りんごジュースを振舞ってくれたりしてくれる方々もいる。
「なんとか 15km まで」なんて思いながら歩き続けると、背後から黄色いひよこちゃんのコスチュームに身を包んだカップル(といっても中年夫婦)が私を追い抜く。ゆっくり走る彼らの後姿を見て「そういえばさっき追い抜いたな」と思い、上り坂で今度は抜き返す。でも平地になるとまた追い越される。気づけば私はひよこちゃんカップルとの壮絶なデットヒートを繰り返しているのである!そしていつのまにか「彼らには負けられない」という気持ちになっている。沿道の声援、ひときわ子供たちの大歓声に包まれ走るひよこちゃんカップルに対し、ひたすら怖い顔をしながら歩く中年おじさんの私とのデットヒートは小布施マラソン史上に残る名勝負だったはずだ。

そしてひよこちゃんカップルとのデットヒートを繰り返しながら 15km 地点を越えるとなにやら人だかりが?
地元の肉やさんがソーセージを振舞っている。でも・・・、15km 地点でソーセージは食べれない、というかその辺になると私は水も飲めない状態であった。普段ならかならずご馳走になるはずなのに・・・。泣く泣くその場を通り過ぎると、のこり 5km くらいからは長い長い河川敷の直線コースである。ここで私は最期の力を振り絞りひよこちゃんカップルに決定的な差をつけることに成功する。
長い直線コースが終わるとやっとゴールのある公園が見えてくる。驚くことにもう屈伸すらできない。とにかく棒のようになった足を前に動かすだけだ。公園内にはいるとゴールしたランナーたちが思い思いにくつろいでいる。「がんばれ、がんばれ」と心でつぶやきながら公園内を2周するとゴールまであとすこし。そしてついにゴール!その瞬間映画「ロッキー」のテーマが心に流れるような気がした。
「本当に完走できた」というのが少しだけ自信になった感じだ。疲れたことより充実感のほうが強い。
記録3時間8分。自分としては大満足の記録だった。

ゴール後、仲間たちと合流し、結果を聞くと、私たちの中でもっとも早かったのは風景間のご主人で、2番目が、私の高校の後輩で、3番目に女性が入り大健闘。
またゆっくり歩いた方々も、ご自身の予想を超えるタイムでゴールし、みんな大満足のマラソン大会だった。
その後、私たちは風景館に戻り、温泉で疲れを癒した。
ちなみに、いい大人たちが興じた「人生ゲーム(ちょっと辛口大人の人生ゲーム Black & Bitter版)」では、アイビスのKさんがアイドルからフリーターになるという波乱の人生ながら億万長者になるというサクセスストーリー。
また夜は風景間自慢の「豆腐懐石」を堪能し、つかれきった体に、心地よい酔いを満喫する。
ぐっすり眠った翌日、私達一行は長野の善光寺をまわり、それぞれの家路につく。

2泊3日、とても充実し、疲れ、リフレッシュした旅でした。
そして来年もぜひ参加しようとおもいます。


ホテルアイビスホームページ
http://www.ibis-hotel.com/
風景間ホームページ
http://www.fukeikan.co.jp/

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by cultemo | 2004-10-20 19:01

翻訳とローカリゼーションの株式会社カルテモの 社長 内藤邦雄 が日々考えたことを語ります

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