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内藤邦雄の「mid NAITO cafe ~ミッド ナイト カフェ~」

カテゴリ:その他( 1 )

阿蘇

先週出張で熊本空港から阿蘇にいく。
あるメーカーの工場は整然としており、何よりもすれ違う社員の方々の心のこもった挨拶がここちよい。

少し早めに工場を出て、バス停まで歩く。
まわりに広がるのは阿蘇カルデラの雄大な景色。
ふと、中学1年の教科書に載っていた三好達治の詩を思い出す。

大阿蘇

雨の中に、馬がたつてゐる
一頭二頭仔馬をまじへた馬の群れが 雨の中にたつてゐる
雨は蕭蕭と降つてゐる
馬は草を食べてゐる
尻尾も背中も鬣(たてがみ)も ぐつしよりと濡れそぼつて
彼らは草をたべてゐる
草をたべてゐる
あるものはまた草もたべずに きよとんとしてうなじを垂れてたつてゐる
雨は降つてゐる 蕭蕭と降つてゐる
山は煙をあげてゐる
中岳の頂きから うすら黄ろい 重つ苦しい噴煙が濛濛(もうもう)とあがつてゐる
空いちめんの雨雲と
やがてそれはけぢめもなしにつづいてゐる
馬は草をたべてゐる
艸千里浜のとある丘の
雨に洗はれた青草を 彼らはいつしんにたべてゐる
たべてゐる
彼らはそこにみんな静かにたつてゐる
ぐつしよりと雨に濡れて いつまでもひとつところに 彼らは静かに集つてゐる
もしも百年が この一瞬の間にたつたとしても 何の不思議もないだらう
雨が降つてゐる 雨が降つてゐる
雨は蕭蕭と降つてゐる


ボクは何度も「雨は蕭蕭と降つてゐる 馬は草を食べてゐる」を繰り返す。
天気もよく、馬も発見できなかったが、ひたすら心の情景を見つめていた。
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by cultemo | 2007-11-29 11:55 | その他 | Comments(2)